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あなたのお子さんですから

 子供は決して、「無限の可能性を秘めたもの」ではない。必ずや、限界がある。
 どうしてこんな夢がないことを言うのか。なぜなら、この頃目に付くさまざまなものが「子供の無限の可能性」をターゲットにしたもののように感じられるからだ。
 たとえば英語。児童英語教室の広告を読むと、まるで5,6歳の子供に日本語でしか会話させないのは犯罪であるかのようだ。「子供は絶対外国語を覚えられる」ということは、今や教育界の神聖な定説であり、それを信じて子供を教室に入れる親たちは「今覚えさせれば、将来はバイリンガル」とバラ色の期待を膨らませる。
 どうでしょうかね、あなたのお子さんですからね。 
 あなたが子供の頃、自分でペーパーバックを買って読んでたとか、英語の発音がうまくて先生にビックリされたとかいう経験がおありならいざ知らず、「英語のテストは、いつも友達のノートを借りてしのいだ」とおっしゃるなら、お子さんが「英語大好き」になる可能性は極めて低いでしょう。「楽しく学んで身につける!」なんてのは、商業文句に過ぎません。人は、興味ないことは”強制”されなきゃ決して覚えないんです。
 たとえばピアノ。「情操豊かな子供」に育つとか。たとえば水泳。「健康な子供」にしたければ。たとえば算数、たとえば漢字、・・・塾、お稽古、留学、etc。
 あなたのお子さんですからね、そううまくいきますかね
 子供を親からスッパリ切り離し、まったく別の存在に仕立て上げ、まるでどんな色にでも染まるマッ白な布みたいに宣伝するのは、いっそ”危険思想”として取り締まってほしい。「褒め殺し」のようなもので、一分の真実があるだけに、単なる商業文句よりタチが悪い。かつて「メダカはメダカ」というかわいい歌があった。メダカの子供はクジラになる夢を見つつ、立派な一匹前のメダカとなるのが健全な姿だ。
 自分に似ている子供を愛し、「メダカがビッグなクジラになる!」なんぞと吹く業者の口車は大概に聞き流し、自分自身の目を信じて、かわいい我が子に知識を授けてあげましょう、というお願いでした。

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